同感したので少し書いてみます。
「新市場を拓いた任天堂」
任天堂のWiiが大ヒット中なのは周知の事実です。
これまでの動きのない室内ゲームのイメージを一新
して、動きのある、画期的な技術を用いた、新しい
サービス。
と言う風に思っている方が多いのではないかと。
私は仕事柄、新商品には無意識に一般消費者として
の視点で見る癖が付いているので、激しく興奮し、
驚いたことを覚えてます。
で、これまた仕事柄、この辺の最先端開発に携わる
仲間もいて、彼らからはそう言う技術がずーっと前
からあるってことは聞かされてました。
ゲーム機のリモコンをフリフリしたり、ケータイを
フリフリしたり、傾けたり、、、
今朝の日経新聞では、こう書かれてます。一部抜粋。
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任天堂が他社にない特別な技術を持っているわけで
はない。ゲーム機の構成部品のほとんどは簡単に手
に入る汎用品だ。ヒットしたソフトも、書籍などの
形で世の中に存在していたものも多い。
商品開発の視点が優れていれば、普通の技術でも大
ヒットが生み出せることを、任天堂は証明した。
独自技術にこだわるあまり、消費者の視点を忘れが
ちな多くの日本企業とは好対照といえる。
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これは、IT系の業界では非常に多く見られる「営業
系vs技術系」のバトルに対する的確な指摘。大事な
ことは、今や、そこそこの技術とアイデア・視点。
技術はそこそこで十分なんです。
WEB2.0を実感できていない会社では、更に上を行く
開発競争に明け暮れてる。
そして、営業系とのせめぎ合いの中で、とりあえず
的に商品・サービスをリリースする。
が、思ったほど、全くと言ってもいいが、ユーザは
付いてこない。
そのときに、必ずと言っていいほど聞かれるのが、
このセリフ。
「早すぎたんだよね・・・」
慰めにもなんにもならない。
個人的には、負け犬の遠吠えだと思ってる。
サークル活動なら何の問題もないのだが、企業活動
の一環としてやってる以上、市場に受け入れられて
初めて価値がある。5年先を行ってようが、100年先
だろうが、それは絵に描いた餅でしかない。空想の
域を脱してない。
私自身もかつて、似たような会社にいた経験がある。
大株主の投資を得た「大金持ちサークル」みたいな
イメージ。開発するのは楽しいだろう。
片や、私は広告宣伝・マーケティングで飯を喰って
きた人間で、ユーザが求めるモノ・ユーザが受け入
れるモノを提供することが使命。飛び抜けた技術は
特に必要なく、そこにかけるコストも必要ない。
当時は、調整力不足で物別れに終わったが、その後、
似たようなケースでは上の経験が活かされた。
話を少しずらしますが、今や、ホントにいろんなこと
が可能になった。開発の最先端はホントにすごい。
が、この国の圧倒的多数は今はそれを望んでない。
へぇ〜!
すげぇ〜!
以上。
である。経済的にも物理的にも、手に届く範囲に、
ある程度のモノが揃い、満足が得られるのだから。
それをみんな知っているのだから。十分に満足で
きちゃうんです、今日この頃って。
今、この瞬間に、i-phoneが予想以上の高機能で
価格も10万円を遙かに超える金額で発売されたら、
大ヒットするかというとそうではない。そんなの
SBだけじゃなく、誰でも分かってる。
ちょっと、驚かされる新機能が備わってて、
ちょっと、手を伸ばせば買えそうな金額で、
ちょっと、周りの人にもブイブイに自慢で、
間違いなく便利で、
間違いなく素敵で、
間違いなく話題で、
そんなタイミングと仕掛けをした上で、i-phoneは
現れる。そして、5年後には当たり前グッズに。
間違っても今じゃない。そんなの要らないので。
ipod touchでいい頃合いです。
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